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花霞(はながすみ)5 <終>

2007–03–25 (Sun) 01:39
やっと完結です、花霞・・・。
ただしこの5話は、かなりおまけ的な内容ではありますが(^^;;

実は、本当ならシキとアキラがヤってる合間に(笑)、これらの説明も入れていく予定だったんですが、あまりにも細かくなりすぎて(設定好きなやつなもんで)、エロの間に入れるには不適切だと判断するに至りました。
んで、おまけの5話を追加した、と。
いつもの執筆裏話でございました~(大汗)

エロはまったく無いですが、それでも二人のイタした艶事を思い出しつつ、彼らと一緒に濡れてください!(爆)←鳥さん風セリフ

メールや拍手にて感想等お送りくださった方々、本当にありがとうございました。おかげで完結させることができました~m(__)m

では、最終話どうぞお楽しみくださいませ。



花霞(はながすみ)5


「まいった…」
「…同感だ」
「まさか、お二人のあんな…ところを見張らされるとはな」
「あれは…故意だと思うか?」
 最後の質問に、それを口にした本人である四将軍筆頭・東の軍を預かるアオイを始めとする四人全員が「当然だ」とばかりに頷いた。深いため息とともに。
「しかし、総統はいったい何を考えていらっしゃるのか…」
 思慮深き西の将軍セイランが憂う。
「閣下がお考えになることは、常人には計り知れんよ」
 経験豊かな北の重鎮ホクトが応える。
「我々も常人とは言えぬと思うが…。あの方だけは特別だからな」
 副総統も兼任しているアオイがいなす。
「だが、あのアキラ様の声は……やばかった」
 一番年若く血気盛んな南のシュリが呟いた。
 またもや四人ともが同意の表情を浮かべる。が、先ほどとは微妙に雰囲気が異なった。アキラのあまりにも艶めいた喘ぎの記憶が蘇ってしまい、やっと治まったはずの熱が再び股間に集まってきたためだった。
 アキラに悟られぬようにかなり距離を置いていたから二人の姿をはっきりと見ることは適わなかったが、邪魔するもののない丘の上からなだらかな斜面を伝って、彼の感極まった甲高い声だけはよく聞こえてしまったのだ。

 早めに終えた閣議の後、宿営の窓外に丘の上へと向かうアキラを見止めたシキが、そのまま彼ら四将軍に自分たちの護衛をするよう直々に申し付けた。もちろん、シキの命令ならどんなことでも喜んで従う将軍たちだったが、現在警護の任に着いている兵士ではなく、何故彼ら重鎮にわざわざ護衛をさせたのか…。
 その理由が、今更ながらようやく理解できたのだった。

 元々、シキほどでないにしろ、アキラに好意以上の感情を持っていると自覚のある彼ら四将軍である。どうやらこのことには、アキラ自身の持つ魅力以外にも、ニコルウィルスが多大に影響しているらしい。
 ライン、つまりニコルウィルスについては、当然のことながらシキ軍にとって最重要の機密事項であるとともに、最優先の研究課題となっている。これをいかに効率よく利用できるかで、ニホン果ては世界制覇も遠い先の夢ではなくなるだろう。
 だからこそシキは、可能な限りの専門家たちを集め、徹底的に研究させていた。今では、かつてのENEDよりもニコルウィルスについての解明が進んでいるかもしれない。そしてENEDの頃よりも飛躍的に究明が進んだのは、アキラの存在が大きかった。
 非ニコルウィルスは、その発症が確認されているのが、現在アキラ唯一人だ。そのため、それまでは研究の対象にもなっていない。しかもニコルウィルスの被検体だった頃から数年後に発症したと思われるため、発症の正確な時期や経過なども一切わからない状態なのだ。シキのためにと、自ら進んでその貴重な身体を被検体として差し出すアキラに対して、シキに属する者たちが好印象を抱かないわけがない。
 そして研究の結果、非ニコルの素晴らしい効果が明確にされた。
 ライン服用によりニコルウィルスを体内に取り込み、それに対して高い適合を示した者に非ニコルウィルスを投与すると、一時的な禁断症状(これはかなりの個人差がある)の後、中毒症状のみが中和される。つまり、ラインへの依存性が消え能力は向上したまま残るのである。当然、ライン中毒者特有の残忍性や制御不能の破壊・殺戮衝動なども緩和される。
 ただし、当然リスクもある。
 適合度の低い者に非ニコルを与えると、極度の禁断症状の末、ほとんどが絶命してしまう。しかも、死に至るまでの過程が、正視に堪えられないほどの悲惨さだった。ゆえに、非ニコルは諸刃の剣とも言える。

 それでも軍隊において、そういったリスクは日常茶飯事だ。むしろ、不必要な人材を公然と淘汰できるというものだ。また、末端の兵士たちには非ニコルを使うまでもない。ラインを餌に集まってくる輩はいくらでもいる。ラインによって増幅された能力で、思う存分暴れさせることが戦果にも繋がる。生き残った中で戦績の良い者には、それに見合った軍内での地位と、更に高濃度のラインを与えていく。その過程で大半の者たちは脱落していく。ある者は発狂し、ある者は中毒死し、ある者は恐怖のため脱走し粛清された。そうやって真の適合者を見分けていき、残った本当に優れた者たちだけが非ニコルで中和させてもらえるのだ。
 しかし、そこまで生き残っていても、非ニコルにより生命を落としてしまう者たちも多い。だからこそ、それらの難関をクリアして登りつめていった軍幹部たちは、能力も信頼度も、半端なものではなかったのである。
 こうやって現在の、より強固なシキの帝国の基盤が確立されてきた。

 けれど、そこに思わぬ副産物があった。もしも神という存在がいるのなら、その気まぐれな悪戯なのか、ニコルウィルスへの適合度が高い者ほど非ニコル保有者に強く惹かれる傾向にあるらしいことがわかったのである。
 あのナノもアキラに強い執着を持っていたこともわかっている。シキがナノからニコルウィルスを受け継ぐ以前から、シキとアキラ、双方が強く惹かれ合ったのもこの体質ゆえだったのか、それともそれが宿命だったのか。それは神ならぬ身では知りようもないことだったが…。
 だから、名実ともに自分たちの頂点に立つカリスマ・シキを絶対君主と崇めつつ、彼らはアキラにも強い恋情を抱いているのである。だが、シキへの忠誠も揺るぎはない。アキラがシキの優秀な側近であると同時に、心身ともに捧げていることを知っている。そして、シキから深く寵愛されていることも了解している。ゆえに恋い焦がれても決して手の出せない「高値の花」などと、不可触の存在としての形容をされるアキラだった。
 そんな彼らの心境を、当然シキも熟知しているはずだ。帝国の中のことで、およそシキの知らないことはないだろう。彼の記憶に、その存在が留められていさえすれば。それがたとえ、部下たちの心の中の問題であっても…。

 だからこそ畏怖する。崇拝する。心酔する。

 言い換えれば、シキもアキラとは別の意味で不可侵の存在なのだった。

 ゆえに、シキのモノであると認識しているアキラに手を出そうとするものはいない。彼らに近しい者たちほど、強く惹かれながら近寄れない。そのことを自覚して耐えることのできる彼らだから、シキに認められ上層部として置かれている。
 その四将軍をもってしても、早春の風に乗って聞こえてきたアキラの甘い声に欲情し、激情に流されまいと多大な努力を強いられたのだ。通常警護にあたっている一般の兵士など、きっとひとたまりもない。抑えられない欲望に突き動かされ、暴挙に出ることは間違いない。そして、即座にシキに切り捨てられてしまっただろう。

「アキラ様もだが、総統も罪なお人だよな…」
 皆の心の声を代弁したアオイのセリフに、何度目かの重いため息と頷きを返す将軍たちだった。
「……さて、お二人も無事営舎に戻られたようだし、俺たちもそろそろ行くか」
 早々に各自の部屋に戻りたいのは、ホクトのみならず四人の共通した気持ち、いや状態だった。
「このままってわけにはいかないからな、俺たちも…」
 きまり悪げに言うシュリに、セイランも同意した。
「まったくだ」

 急ぎ足で宿舎へと歩を進めた四将軍の後を、嘲笑うかのように舞い散る桜の花びらたちが追っていったのだった…。



 ― 終 ―

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